【2023年 1月】
【2022年 11月】
所沢准看護学院第五十五回生、所沢看護専門学校第二十五回生歓迎の言葉
所沢看護専門学校
所沢准看護学院
校長 赤 津 拓 彦
所沢准看護学院第五十五回生並びに所沢看護専門学校第二十五回生の皆さん、入学おめでとうございます。 新入生の皆様は勿論、御家族の皆様、勤務施設の皆様にとっても喜びはひとしおだと思います。
本来であれば、桜の花の咲き乱れる中での4月4日の入学式、この度は新型コロナウイルス感染症の広がりを受け、 中止と致しましたこと、心からお詫び申し上げます。 4月6日月曜日に元気な皆さんとお会いできることを心待ちにしています。
当たり前の平穏無事の生活がなんともろいものか、一度失ってしまった物や人々、 そしてその心が元通りになるにはなんと長い年月が必要であるか、私達は9年前の東日本大震災の時に経験しました。 今、新型コロナウイルス感染症の脅威が迫りつつありますが、国民全員が一丸となり、 感染克服に向けて協力していかなければなりません。皆さんはまだ看護師の卵ですが、 市民の皆様に正しい行動の模範を示していくことが必要です。
両校を代表して、歓迎の言葉を述べさせていただきます。准看護学院第五十五回新入生は四十三名、 看護専門学校第二十五回新入生は二十七名からのスタートです。出身、年齢、社会背景、いずれをとっても多様な集団ですが、 「困っている人々を救いたい」と願う尊い気持ちは同じ、新入生の皆さんの思いが、 眼差しや身体から溢れ出ていると推察しています。
皆さんは、この学び舎に集い、共に学び、同じ目標である専門職の看護師、准看護師免許取得のため、 二年間邁進することになります。勿論、これからの二年間、簡単な道ではありません。将来を決する大切な二年間であり、 努力しがいのある日々の連続です。皆さんが学び、覚えなければならないことはたくさんあります。 看護職員としての心構えや基礎を覚える座学、生身の患者さんと接し、実践を学ぶ実習等、 未知の経験を積み重ねることになります。思うように行かず、涙を流すこともあると思いますが、流した涙で洗われた眼には、 新たな世界が見えるはずです。「どうぞ、健康に留意し、なんでも前向きに取り組んで下さい。」
皆さんの多くは、家庭と学生、あるいは仕事と学生という「二足のわらじを履くこと」になります。 両立のためには、例えば、睡眠時間や家族との時間を削るなどの普通以上の努力が必要です。自分の成長を自分が実感できるのは、 自らの心に恥じない行為を継続した時だけです。そのためには強い意志が必要です。そして、意志は鍛えてこそ強くなります。 逃げたくても簡単に逃げない勇気、避けたくても決して避けない勇気、これらを持ち続けた者だけが、 自分の願う道を進んで行けます。「きちんと発言し、しっかり行動する学生であり続けて下さい。」
皆さんは決して、一人ぼっちではありません。同級生の仲間がいます。二年生も、教職員も、そして私もいます。 道に迷いそうになったらいつでも相談して下さい。一緒にゴールに到達できるように道を探して参りましょう。 看護の道を選んだ先輩方は、だれもがある時期、みな例外なく同じ道を歩いたのです。誰もが、その道で悩み、涙を流し、 そして喜び合い、笑い合ってゴールに到着したのですから。
皆さんはまた、自分一人の力で勉強していると思ってもなりません。 皆さんの入学を喜んでいる多くの方々が物心両面で学生全員を支えていることに感謝して下さい。例えば、学生教育のため、 埼玉県、所沢市及び所沢市医師会から、年間合わせて数千万円の御支援をいただいています。当校の願いは、 皆さんの免許取得に止まらず、皆さんがそれぞれの地域における実地臨床の場で、人間性に溢れ、 技術を備えた全人的看護の実践者となること、自分の持つ最大限の愛情を患者様、御家族様に注げる人となることです。
国が推進する地域包括ケアが軌道に乗ると、 これまで入院で管理されていた重症の患者様や複数の疾病を持った患者様が在宅に溢れることになります。 看護職員に必要とされる知識や技術が各段に高度となっていきます。 同じ看護職員でも看護師と准看護師ができる仕事の範囲は異なり、保助看法と言う法律で厳格に区別されています。 一言でいうと、准看護師は初級コースであり、看護師は上級コースとなります。所沢市医師会では社会的ニーズを鑑み、 看護専門学校の学生を支援するため、京谷圭子医師会長の肝いりで経済的に困っている修学意欲旺盛な学生を対象とした、 給付型奨学金制度を創設し苦学生を支援しています。奨学金を頂きながら、この春、めでたく看護師となった卒業生からは、 学校を継続できたことや勉強に集中できたことへの感謝の声が寄せられています。 目標は一つ一つ叶えて行かなければなりませんが、 一人でも多くの学生が准看護師から看護師を目指して精進して欲しいと願います。
新入生全員、一人一人が、初心を忘れることなく、お互いに支え合いながら、真面目で誠実に努力を重ねている限り、 周りにいる全ての人達は皆さんを応援し続けると確信しています。当校の教職員一同、二年後に、 全員が笑顔で卒業式を迎えられるよう、教育、指導していく所存です。
学生の皆さん、あなたがた一人一人がこの学び舎の主役です。自分の怠惰、怠け癖による遅刻、欠席、 授業中の居眠りは勿論ダメ、授業に集中し、学んだことを一つでも多く、自分のものにできるよう、一生懸命勉強して下さい。 自らを律し、自らが動き、自らを鍛えて下さい。歩き続ければ、目標は必ず叶います。
令和二年四月吉日