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コマ廻し世界記録

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記録に挑戦する森さん

 2002年作成
 現在の世界記録保持者は、自分で作ったコマで回転時間世界記録を達成した森偉之輔先生(元高松高専の応用物理学教授)です。

 1999年10月24日に香川県にある「さぬき子どもの国」という児童公園で世界記録に挑戦して、当時のギネスブックに記載されていた記録1時間21分35秒を16分7秒上回った1時間37分42秒という連続回転新記録を達成した。この記録は2001年にギネス記録として公認され、現在に至っている。
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 この記録のギネス認定にはちょっとしたエピソードがある。2001年の英文ギネスブックを広げると2時間52分11秒が掲載されていたのである。このコマはアメリカの高校生が申請した回転磁気式コマだった。磁石とコイルを利用したモーターの変形みたいなもので、外から電池によるエネルギーが注がれて回り続ける。これに対して森さんは@コマは手回しであるべきこと、A手を離したら手を触れてはならないことを説明したところ、ギネス社もその誤りを認め、2001年の9月には「Unassisted部門」のギネス記録として森さんの記録を認定するとの連絡が入った。翌年1月29日付けで送られてきた認定書
(左写真)には「Congraturation! You are now an official GUINESS WORLD RECORD holder・・・」との文が添えられ、改めて世界一であることが証明された。従って、ギネスブックの掲載如何によらず、森偉之輔さんが世界記録保持者である事に間違いない。そもそも、コマは手回しによって楽しむものであり、動力をもつコマが長時間回っていても全く面白くない。記録を楽しむギネスの精神からも回転磁気式のコマは除外されて当然である。
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 左の写真は森さんが世界記録を達成した時に使ったコマである。小さな写真にしてしまうと普通のコマのように見えるが
(写真をクリックで大きく見える)、このコマは直径が90cm、高さも90cmと大きいもので、超バランスコマと名づけられている。重さが13kgというこのコマの特徴は支点が重心位置よりも高いところにあり、回転が止まっても倒れないよう工夫されているところである。お寺の釣鐘の内側の一番高いところに支点をつけて、その支点を下から棒で支える構造を想像して頂けば理解出来ると思う。こんな大きなコマを1時間半以上も回り続けさせるには、軸の固体摩擦や磨耗、流体摩擦や慣性モーメントなどに関しても様々な工夫と大変なご苦労があったと聞く。なにより、小さなコマから段々大きなコマにしながら工夫を重ね大記録を成しとげたご努力に頭が下がる。
 ところで、止まれば倒れる普通のコマではどのくらい回り続けるのだろうか。写真集の方でも紹介している江戸独楽師の小宮さんにお訊ねしたことがある。「時間的な挑戦をしたことはないが、8分位のは作る。30〜40分位までは作れるが直径が80cm近く必要だろう。」とのこと。所謂一般的な概念の独楽ではこれが限界ではないだろうか。

 森さんは、ご自分の記録を破り、新たな記録に挑戦する人の出現を期待しています。
 
   どなたか挑戦してみませんか
 森さんの記録を更新するには、新たな独楽の物理学的構造の構築、精密機械等の最先端の技術およびその機材の応用等、高度のハイテク技術なくしては不可能ではないでしょうか。挑戦者に期待する事は、森さんの記録を更新するのは無論、森さんの独楽よりいかに小さくするか、またいかに一般的なものに近い形の独楽で挑戦するかです。このような課題に取り組んで世界新記録に挑戦する人の出現を期待しています。

 回転磁気式コマを写真で紹介します。ここをクリックして下さい。最近では性能が良くなり何日間も回り続けるものも出現していて、永久コマとも言われています。コマに永久磁石が入っていて、台の中に隠してあるコイルに流す電流が作る磁界と作用して回り続けます。
 又、森さんの世界記録達成の過程等について興味をお持ちの方には森さんの書いた詳細なレポートを提供しますのでご連絡下さい。


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