大鐘コマの情報
1)大鐘コマは、奈良東大寺梵鐘・鐘守4代目の川邊巖氏が昭和30年頃発案され、「大鐘コマ」と命名し、実用新案を取得。最初は大型を製作し、追って小型を作られたそうです。
鐘楼で売られ、当初は大人の民芸品だったようですが、修学旅行生に土産物として買われるようになり、子どものおもちゃとしても人気が出たようです。すでに川邊氏考案の大鐘コマは廃絶しています。
2)下の写真は、昭和30年3月6日に撮影された大鐘コマを販売している写真です。
この写真により 、間違いなく東大寺の鐘楼内で昭和30年3月に販売されていたこと、 大鐘コマには大中小3種類があり、大:200円、中:100円、小:80円で販売されていた事、新案特許第15037号が取得されていることが判明しました。 |
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昭和30年3月6日撮影の写真とその撮影記録添書き
(写真をクリックすると拡大されます) |
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3種類の大鐘コマのサイズ |
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大型 |
中型 |
小型 |
高さ |
236(mm) |
130(mm) |
122(mm) |
直径 |
126(mm) |
70(mm) |
61(mm) |
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奈良東大寺大鐘コマ像(大型) |
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正面像
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側面像
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風穴
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風穴サイズ
長さ:6.1cm
幅:0.8+0.3cm
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この大型コマには中型コマと小型コマの側面に記されている「天平勝宝四年鋳物」などの5行の文字は書かれていない |
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奈良東大寺大鐘コマ像(中型) |
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正面像
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側面像
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側面像 |
風穴 |
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この中型コマには
大型コマと小型コマの側面に記されている「実用新案」などの4行の文字は書かれていない。 |
風穴サイズ
長さ:3.8cm
幅:0.6+0.2cm |
このコマだけ肩書きは
「奈良大佛」と書かれている。
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?文字は
4万5千貫」か。 |
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奈良東大寺大鐘コマ像(小型) |
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正面像
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側面像
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側面像
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風穴 |
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風穴サイズ
長さ:3.6cm
幅:0.5+0.2cm
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?文字は
「奈良東大寺」と確定。
(2017.4月判明記。)
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?文字は
「瓩」デカグラムと確定。
「瓩」=キログラムの事
即ち 4万5千キログラム
糎=センチメートル |
因みに大鐘コマの公式数値は
重さ:26.364t、 直径:2.708m、
高さ:3.853m、 口径:2.71mです。 |
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大鐘コマは出来映えの素晴らしいコマです。相当熟練した独楽職人の作品と思われます。鐘守4代目の川邊巖氏がご自分で製作していたのか、或はどなたか熟練した独楽職人に依頼して製作していたのか、またこの大鐘コマは何時ごろまで販売されていたのか等も不詳です。大鐘コマに関する情報を探しています。どのような情報でもご存知の方がおりましたら教えて頂ければ幸いです。
昭和30年に大鐘コマ(大)が200円で販売されていますが、現在の金額にするとどの位の金額になるのでしょうか。ご想像ください。 |
独楽熱中人
独楽熱中人には曲独楽芸人を頂点とする独楽を回すことに興味を持っている人々、独楽師(職人)を頂点とする独楽を作ることに興味を持っている人々、私のように独楽を収集することに興味を持っている人々がいます。俳優の加藤剛さんも独楽の収集家の一人です。
この大鐘コマに興味を持っている人が私の外にもおりました。 大鐘コマをモデルに同形のコマを作った原克文氏(右写真)と、大鐘コマの作成に興味を持っていろいろなデーターを収集した森貴男氏(神奈川県在住)です。
森氏の収集物の中の「東大寺鐘楼前で大鐘コマを販売している写真」と大鐘コマ(小型)を拝見して、再度大鐘コマに興味を持ち、このページを作成した次第です。また「からくり玩具をつくろう」共同著者:安田真紀子氏(現奈良町からくりおもちゃ館 館長)から頂戴した情報も参考にさせて頂きました。お二人のご厚意に感謝します。
森さんは、この廃絶してしまった大鐘コマを将来復活させる人が出てくることを期待して、その際の参考資料になるように大鐘コマ(小型)の寸法をスケッチ作成したそうです。また子供達のために、「昔からの子供向けおもちゃ」の啓蒙を兼ねて、ボランティアで松風コマ(ブンブンコマ)を作って公民館や地区センターの祭り等に出品しているそうです。やはり並の独楽熱中人ではないようです。 |
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