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手作り独楽(酒井高男氏)
Part-2
一筆書き独楽(酒井先生の独楽)

 針金による「一筆書き独楽」は東北大学名誉教授酒井高男先生が考案した独楽で、1本の針金を切断することなく屈曲させるだけで作る独特の独楽です。
 酒井先生は独楽学に造詣が深く、一人で楽しむこまの話:おもちゃの科学講談社(1977),逆立ちこまはなぜ立ち上がる:科学朝日(1973.12月号),逆立ちこま:数理科学No.211(1981)などの著述があります。

酒井先生から提供して頂いた手作りコマの幾つかを紹介します。 
(1.2.3の解説は酒井先生の紹介文からの引用です。)
一筆独楽  俗に「酒井の独楽」といわれている一筆独楽の原型。
全体の重心を独楽の軸と合わせるための腕の間の角度(左の写真のV字の角度)は、この角度を2αとして次の式で求められる。
 2α=2Arctan0.5=52.13°
一筆独楽 1)の独楽ではアーム間の角度を求めるのに積分が必要である。
2)の独楽はそれを避けるためにアームを重ねたもの。この場合には重心はリムである円の中心からはずれる。そこで重心位置をアームの内端部に一致させることを考えた。アームの長さを円の半径の0.8775倍にすればよいことが分かった。計算には代数の二次方程式を使うだけですむ。
  一筆独楽  逆立ち独楽
2)の独楽の軸を水平にした状態で回転させると、これが逆立ち独楽になることを発見。そこで初めから逆立ちする独楽を作ったのが、3)の独楽である。円の一部から針金を内側に折り曲げてある。そのため当然重心は折り曲げた針金側に片寄る。 重心を下側にした状態で回転をあたえるとやがて逆立ちして回転を続ける。
逆立ち独楽続き
重心を下にして円の上部を母指と示指でつまみ捻って回転させると重心部が上に移動して逆立ちになる。
一筆独楽 一筆独楽
U字独楽
針金の両端を母指と示指で挟んでひねって回転させる。
この独楽が回転すると右の写真のようにタンブラーグラスになる。
一筆独楽 一筆独楽
V字独楽
U字独楽と同様に回転させると右の写真のようにカクテルグラスになる。
一筆独楽 一筆独楽
その他の一筆独楽
一筆独楽 一筆独楽
   矢印独楽 四角形独楽
一筆書きの「おもちゃ」 一筆独楽 これは独楽ではありません。
床をころころ転がして遊ぶ酒井先生の創作手作りおもちゃ。
これも一本の針金で作られている。


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